居宅介護ってどんなサービス?障害福祉を分かりやすく紹介

居宅介護

居宅介護のサービス概要

居宅介護サービスは、障害のある人が自宅で生活するために、お風呂やトイレ、食事のお手伝い、料理や洗濯などの家事、生活に関する相談やアドバイスなど、生活全般のお手伝いをするサービスです。ここでは、サービスの内容、事業所が受け取れる報酬などをわかりやすく説明します。

対象者:障害支援区分1以上(障害児の場合は、大人の区分1と同じぐらいが必要だと認められること)
※ただし、病院への付き添いなど、体のサポートを含む介助が必要な場合は、以下の条件を満たしていることが必要です(お子様の場合も同様)

①障害支援区分2以上

②支援を受けるには以下(1)〜(4)のいずれかの状態であること
(1)歩行 : 歩くときには全面的な支援が必要
(2)移乗 : ベッドや車椅子への移動に見守り、一部、すべての支援が必要
(3)移動 : 外出や室内の移動に、見守りや一部、すべての支援が必要
(4)排尿・排便 : トイレで一部、すべての支援が必要

居宅介護のサービス報酬について

居宅介護サービスの基本報酬や、各種加算について説明します。

居宅介護サービスには、身体介護と家事援助という2つのサービスがあります。ともに1時間30分が基本報酬となり、概要は以下のとおりです。

・身体介護
 1時間以上1時間30分未満で5870円。サービス時間延長の場合(3時間まで)は30分ごとに820〜870円。3時間を超える部分(市町村の認めた場合)は30分当たり830円を加算。

・家事援助
 1時間15分以上1時間30分未満で2750円。サービス時間延長の場合(1時間30分以上)は15分ごとに350円を加算。

 ※通院や公的機関の手続きなどでの移動介助も対象となる。

居宅介護の報酬は、以下の要素によって決まります。

  • 職員の資格: 介護福祉士・実務者研修修了者・居宅介護職員初任者研修課程修了者が基本。
    注:基礎研修修了者や無資格者がサービスを提供した場合、報酬が減額されます。
  • サービス提供場所
    事業所との距離:サービス提供する場所が、事業所と近いと報酬が減額される場合があります。
    同一建物内の利用者数:同じ建物に住んでいる利用者の人数が多い場合も、報酬が減額される場合があります。
  • サービス提供時間:夜間や早朝は、通常の報酬にプラスして加算されます。
  • 同時訪問:同時に2人以上の職員が利用者を訪問した場合、それぞれに報酬が算定されます。

どんな加算があるの?

居宅介護サービスには様々な加算がありますが、居宅介護で特徴的な加算をご紹介します。

特定事業所加算 所定単位から5%〜20%追加

特定事業所加算は、一定の条件を満たした事業所が対象となり、取得するにはいくつかの条件があります。

サービス提供体制の整備:研修の実施や、サービスの質向上に取り組んでいること。
 ・計画的な研修の実施
 ・会議の定期的開催(1ヶ月に1回が基本)
 ・サービス提供後の報告(メール、FAXでもOK)
 ・定期健康診断の実施(1年に1回以上事業主負担で実施)

人材要件:介護福祉士の割合を30%以上にするなど、質の高いサービスを提供するための人材を確保していること。

重度障害を持つ利用者への対応: 重度の障害を持つ利用者に対して、適切なサービスを提供できる体制を整えていること。

上記のすべての要件を満たした場合、最も高い加算額の特定事業所加算(Ⅰ)を取得。それぞれの要件を満たす場合は特定事業所加算(Ⅱ)〜(Ⅳ)いずれかの対象となります。

緊急時対応加算 1000円/回(月2回まで)

緊急時対応加算は、利用者が安心して暮らせるように、事業所が24時間体制で対応できるようにするための制度です。介護サービスの利用者の緊急時、事業所がすぐに対応した場合に、通常よりも高い報酬の対象となります。

計画外のサービス:普段の計画にないサービスが必要になった場合

身体介護中心のサービス:体を洗ったり、食事を介助したりといった身体介護が中心のサービスだった場合

24時間以内:依頼を受けてから24時間以内にサービスを提供した場合

※入浴、食事、排泄、身体に関する介護、病院への送迎や、診察中の付き添いなどが対象となる。

具体的な例
  • 夜中に急に具合が悪くなり、家族が一人暮らしの祖母を心配して事業所に連絡。事業所はすぐに駆けつけ、病院への搬送を手配した。
  • 台風が接近し、自宅に閉じこもっている利用者の安否確認を依頼された。事業所はすぐに駆けつけ、安否確認を行った。

その他の加算

他の障害福祉サービスでも対象となる事が多い加算を簡単にご紹介します。

◯特別地域加算:所定単位の15%
 山間部の利用者に対してサービスが提供された場合

◯情報公表未報告減算:所定単位の5%減算
 情報公表制度が未実施

◯業務継続計画未策定減算:所定単位の1%減算
 業務継続計画未策定

◯身体拘束廃止未実施減算:所定単位の1%減算
 ①身体拘束の記録②委員会開催③指針整備④研修実施がされていない

◯虐待防止措置未実施減算:所定単位の1%減算
 ①虐待防止委員会開催②虐待防止研修実施③担当者の設置がされていない

◯初回加算:2000円/月
 新規利用者へサービス提供者が支援した場合

◯利用者負担上限額管理加算:1500円/月
 対象者の負担額の管理を行った場合

◯喀痰吸引等支援体制加算:1000円/日
 たんの吸引等を実施した場合(特定事業所加算(Ⅰ)を算定していない事業所が対象)

◯福祉専門職員等連携加算:5640円/回
 精神障害に精通する専門家と連携した場合(90日で3回まで)

◯福祉・介護職員等処遇改善加算
 職員の賃金改善など一定の基準に適合する取り組みを実施している場合。別途、概要説明ページを作成予定。
 

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