重度訪問介護ってどんなサービス?障害福祉のサービス・報酬を分かりやすく解説

重度訪問介護

障害福祉サービス重度訪問介護のサービス・加算報酬について、ハンドブック報酬編の内容を分かりやすく解説します。

重度訪問介護とは

重度の障害があり、日常生活を一人で送ることが難しい方が、自宅で安心して暮らせるように、専門的な支援を受けることができるサービスです。

どんなことをしてもらえるの?

  • 身体の介護: 入浴、食事、排泄の介助
  • 家事: 料理、洗濯、掃除
  • 外出のサポート: 外出時の移動や付き添い
  • 相談: 生活に関する相談やアドバイス

対象者は?

障害支援区分4以上で①か②のいずれかに該当する方が対象となります。

 ① 二股(体の2ヶ所)以上に麻痺等がある
 ② 市区町村で行われる区分認定で支援が必要と認定を受けた方

重度訪問介護サービス費の考え方

重度訪問介護の報酬は、サービスを提供する時間の長さや、利用者の状態、そしてサービスを提供する人の資格などによって決まります。

基本報酬について

8時間を区切りとする単価設定

  • 1日のサービス時間が8時間以内と8時間を超える場合で、料金が異なります。
  • 8時間を超える場合は、8時間までの料金の95%が適用されます。これは、長時間サービスを提供すると、事業所の管理コストが減少するため、少し料金が下がるという考え方です。

入院中の方へのサービス

  • 病院に入院中の方へのサービスも、基本的には同じように計算されます。
  • ただし、90日以上サービスを利用する場合には、報酬が20%下がります。

有資格者が支援をすると

  • 特定の資格を持っている人が重度障害者等包括支援の対象者や区分6の利用者にサービスを提供する場合、報酬が上がります。
     ・特定の資格:重度訪問介護従業者養成研修の終了者など
     ・重度障害者等包括支援:15%加算 日常から基本的な生活動作にサポートが必要な方
     ・区分6:8.5%加算

同時に2人の職員がサービスを提供すると

  • それぞれの職員の勤務時間に応じて報酬が計算されます。
  • ただし、ベテラン職員が新任職員と一緒に下記の利用者へサービスを提供する場合は、新人職員が対応すると考えられるため10%の減額となります。
     ・対象者:区分6、重度障害者等包括支援

時間帯による基本報酬UP

  • 夜間や早朝にサービスを提供する場合、夜間・早朝加算が適用されます。
    ・22時〜6時:50%加算
    ・6時〜8時:25%加算
    ・18時〜22時:25%加算

重度訪問介護サービスにはどんな加算がある?

重度訪問介護サービスには様々な加算があります。特徴的なものを中心に各種加算を紹介します。

特定事業所加算 基本報酬の単位から10%〜20%追加

特定事業所加算は、質の高いサービスを提供するために以下①〜③の3つの条件を満たしている事業所が対象となります。

サービス提供体制の整備:研修の実施や、サービスの質向上に取り組んでいること。
 ・計画的な研修の実施
 ・会議の定期的開催(1ヶ月に1回が基本)
 ・サービス提供後の報告(メール、FAXでもOK)
 ・営業体制が年間365日24時間とられていること

人材要件:介護福祉士の割合を30%以上にするなど、質の高いサービスを提供するための人材を確保していること。

重度障害を持つ利用者への対応::区分5以上の利用者や、たん等の吸引が必要な利用者が50%の場合

上記のすべての要件を満たした場合、最も高い加算額の特定事業所加算(Ⅰ)を取得。それぞれの要件を満たす場合は特定事業所加算(Ⅱ)、(Ⅲ)いずれかの対象となります。

緊急時対応加算 1000円/回(月2回まで)

緊急時対応加算は、利用者やその家族から突然の要請を受けてから24時間以内に重度訪問介護のサービスを提供した場合に対象となります。

移動介護加算 1000円〜2500円

移動介護加算とは、重度訪問介護の利用者を移動させる際に、支援が必要な場合に対象となります。車椅子で移動する際に介助が必要な場合や、体位変換が必要な場合などに、この加算が適用され、移動時間に応じて加算額が異なります。

 ・1時間未満:1000円
 ・1時間30分未満:1250円
 ・2時間未満:1500円
 ・2時間30分未満:1750円
 ・3時間未満:2000円
 ・3時間以上:2500円

 一日に複数回の移動介護を行う場合は、通算時間が対象となる。

また2人以上で同時に支援を行った場合、それぞれ加算対象となります。
ただし、ベテラン職員が新任職員と一緒に下記の利用者へサービスを提供する場合は、新人職員が対応すると考えられるため10%の減額となります。
 ・対象者:区分6、重度障害者等包括支援

移動介護緊急時支援加算 2400円/日

この加算は支援者が運転する車で移動中に、利用者が急に体調が悪くなったり、体位を変えなければいけなくなったりした場合に、その場で必要な支援を行ったときに対象となります。

行動障害支援連携加算 5840円/回(初日から30日間で1回まで)

サービス提供責任者が支援計画シート等の作成者と連携し、利用者を共同で評価した場合に対象となります。サービス提供責任者と作成者が同じ場合は対象外。

入院時支援連携加算 3000円/回(1回まで)

利用者が入院する際に、支援者が一緒に病院へ訪問し調整を行った場合に対象となります。

その他の加算

他の障害福祉サービスでも対象となる事が多い加算・減算を簡単にご紹介します。

◯特別地域加算:所定単位の15%
 山間部の利用者に対してサービスが提供された場合

◯情報公表未報告減算:所定単位の5%減算
 情報公表制度が未実施

◯業務継続計画未策定減算:所定単位の1%減算
 業務継続計画未策定

◯身体拘束廃止未実施減算:所定単位の1%減算
 ①身体拘束の記録②委員会開催③指針整備④研修実施がされていない

◯虐待防止措置未実施減算:所定単位の1%減算
 ①虐待防止委員会開催②虐待防止研修実施③担当者の設置がされていない

◯初回加算:2000円/月
 新規利用者へサービス提供責任者が支援した場合

◯利用者負担上限額管理加算:1500円/月
 対象者の負担額の管理を行った場合

◯喀痰吸引等支援体制加算:1000円/日
 たんの吸引等を実施した場合(特定事業所加算(Ⅰ)を算定していない事業所が対象)

◯福祉・介護職員等処遇改善加算
 職員の賃金改善など一定の基準に適合する取り組みを実施している場合。別途、概要説明ページを作成予定。

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